墓石が森の中に並ぶ形態の森林墓地ができたのが、ドイツで20世紀初頭位といわれています。
後に、森の樹木そのものを墓標とし、根元に埋葬する樹木葬になるまでは100年位もかかったといわれています。
このような樹木葬が本当の意味での自然回帰なのですが、日本人の文化に普及するのには、これからもなかなか難しいかもしれません。
広すぎて管理の行き届いていない自然(ワイルド)の中にある墓地より、身近な場所の自然を表現した庭園のように、綺麗に管理された自然の中にこそ日本人にとっての美があり、そこに埋葬されることに樹木葬としてのイメージがあるのではないでしょうか。
ですので、私たち日本人にとっての樹木葬とは、本来の自然回帰の意味では無く、四季ごとに変わる景色まで計画され、その場所に行くと癒される、明るく管理された身近な庭園にこそあるべきものだと思うのです。